Sunny Record

アニメラブライブ!の、私見会場です。

アニメラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 第6話「笑顔のカタチ(⸝⸝>▿<⸝⸝)」感想 〜亡霊の図書館〜

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16bit Odyssey.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こんにちはおはようございますこんばんは初めまして毎度どうも、Sunny Roadと申します。以後お見知り置きを。

 

さて、今日も今日とてアニメラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会第6話「笑顔のカタチ(⸝⸝>▿<⸝⸝)」の感想をこちゃこちゃ書いていきたい所存です。タイトルに顔文字が冠されるは数あるアニメでも珍しいですが、それこそがまさに彼女らしい、天王寺 璃奈ちゃんの掘り下げ回ですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

最近は日に日に肌寒くなってきて、秋の深まりと共に冬の到来に思い馳せる今日この頃、皆さんいかがお過ごしでしょうか。さて、それはそれとしていつものいきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本ブログ記事は、私Sunny Roadが個人的見解と偏見と自分語りをふんだんに織り交ぜた純度250%の"私見会場"でございます。自分はこの記事全ての文面に一切の説得力及び責任を負いませんことをご了承の上お読みください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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そんな訳で今回は天王寺璃奈ちゃんのスポット回ですが・・・そもそもスクスタやラブライブ!のファンの方々は彼女がアニメに初登場以降、ずっと彼女の担当回に期待の熱視線を送っている方が多かったのでは?というのもアニメ版の彼女、初登場時から璃奈ちゃんボードを付けていないんですね。

元々彼女はスクスタリリース時に正式加入したラブライブ!メンバーの1年生ですが、あちら側では感情を表すのが苦手で、「璃奈ちゃんボード」と呼ばれる自分の表情を表す画面を肌身離さず持っていて、素顔を見せない。という初登場だったわけで。まぁ何と言うか、ファンの間では「おうおうこれまた強烈な個性の娘が来たな・・・素顔隠し系アイドルってClariSかな?」みたいにかなり色物として捉えられていた印象があります。

要は初期装備で顔を隠していて、素顔を(サイドストーリーのみではありますが)見せたのは昨年の今頃。それまでは彼女を語る上で璃奈ちゃんボードは「それありき、前提」のアイテムだったわけですよ。それを逆手に二次創作のファンアートでは、そのボードや顔文字をネタにされるのが多かった気もします。

 

しかしですよ。先述したようにアニメでは璃奈ちゃんはこの6話まで終始無表情で会話しているという伏線は残しつつも、璃奈ちゃんボードはおくびにも出さず同好会活動を続けていました。もしかして世界線のよく似た別人か⁉︎なんて疑惑もかけられてましたが、当番回に人となりをどう描写されるんだろう、というのがまさに視覚的に期待されているのはメンバー随一だったのではないでしょうか。そして待望の璃奈ちゃん回、アバンのモノローグが・・・

 

 

 

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「想いを伝えることって、難しい。」

 

ああ・・・俺たちの知ってる璃奈ちゃんだ・・・‼︎

 

 

無論、このモノローグは言葉そっくりそのまま彼女のソロ曲「ドキピポ☆エモーション」の歌詞ですね。感情を表情に表すことが困難でそれをコンプレックスとし、今まで後一歩のところで友達付き合いを叶えられずにいた璃奈ちゃん後ろ暗さが、窓ガラスに映る自分の口を仮想的に笑顔にします。その曲線一本さえ自分に備えられれば、自分はどれ程・・・

ポケットの中のゲームセンターの優待チケットと苦い気持ちを握りしめたまま、寄り道に期待した足を自宅へと運ぼうとした時、出逢いは訪れます。

 

 

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愛ちゃん、見かけによらず感情の機微を捉えるのがこんなに得意だとは思いませんでしたね!最早読心に近いものもありますが。見かけによらずというとそれこそ実は地頭が良く成績も良好というのを敢えて自分から主張しないのもデキる女、陽キャの真髄なのかも。

いやまぁしっかり相手側の視線や動向の理由を追っていけば分かるんですけどね。この璃奈ちゃんでいえば、上級生の色のリボンを凝視して黙り込んでしまうと「下級生を意識して遠慮してるのかな」くらいには分かりそうですし。けどそれを「そう思ってるに違いない、じゃあどう言葉をかけてあげればいいか」を朗らかに、そして正しく、それでいて無意識に汲み取って選択できるのはやはり基本スペックが高水準と言わざるを得ないでしょうなぁ。この歳にして自発的に色んな人と出会い、豊富な経験を身につけてる証拠ともいいますね。別に変な意味じゃないっすよ。

 

 

そんなデキる女、愛ちゃんに快く手を引っ張られ、璃奈ちゃんゲームセンターのみならず同好会活動も追随します。しかし彼女は単に愛ちゃんついていくだけで満足するわけではありませんでした。

 

 

 

 

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「今回は出来ないからやらない、は無しだから。」

 

ゲームセンターで「クラスメイト」と偶然出会い、同伴していた歩夢ちゃん愛ちゃんがいて持ち上がったスクールアイドルのライブの話で、半分勢い任せで「ここでライブ、やる」と言ってしまった璃奈ちゃん。

同好会に加入してからの璃奈ちゃんは、テーブルを囲んでの作戦会議にもお世辞にも自分からガンガン主張して参加していく女の子とは捉えられなかっただけに、いきなり新生同好会初となるライブを取り付けてくるという思い切った行動をやってのけた彼女にメンバー一同は一度は面食らいます。

ですが璃奈ちゃんの不器用だけど不確かでない、「自分の想いを伝えて、仮初のキャラじゃなく等身大の自分と誰かとで繋がりたい」という想いをキャッチし、メンバーは全員協力に一致。ライブが行われる翌週の土曜日までに自分が変われることを期待して今まで以上にスクールアイドルの猛特訓を開始します。

もうこの時点で自分としては95点くらいあげたいんですけどね。だってもうこれ、スクールアイドルの原点そのものじゃないですか。自分の中でくすぶった思いがあって、それをステージの上で発信したくて。今はまだ未熟で頼りないけど、出来てない自分をいつか越えられる、いつか変われると夢見て努力し続ける。

これだけでいい、これこそが良いんですよ。

誰かが、あるいは自分が笑顔になる為にそれぞれが前向きに直向きに一生懸命頑張って、自分なりにステージで披露する。そこに何の差も隔たりも優劣も無いはずです。そしてその努力する姿をキャッチした周りのみんなも応援して、お互いを高め合う。それこそが世界で一番美しい人たちの姿だと、自分は声を大にして言いたい。生ぬるい綺麗事かもしれませんけど、生来誰しもが心の奥底で望んだ光景だとは思いませんか。何の20章かは言いませんけどね。

 

だから、多少無理をしてでも璃奈ちゃんは奮闘し始めたその姿がもう、眩しくて。ほんとに。このシーンだけでメシ3杯はいける。自分にスクールアイドルの才能がどうとかを念頭に置かないのも良かったですね。もしかしたらこれが自分に降って湧いた最初で最後のチャンスかもしれない、と期待と焦りを感じたのかもしれません。

 

 

 

 

 

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今回、多めに練習シーンが挿入されたのも璃奈ちゃんの猛特訓を彫り深く描写するのに一役買っていましたね。あまり激しめの練習ではありませんでしたが、発生練習なんかはそれぞれ得意分野の全く違うメンバー同士が協力し合って活動する虹ヶ咲らしさ出てて良かったです。

柔軟も日を追うごとに少しずつ、ほんの少しずつだけど体が曲がるようになってきて成長を感じるの、分かりますよ。

 

ライブMCの歩夢ちゃん、とっても可愛らしいんですが本来それをサポートする役回りでこの同好会にいる侑ちゃんの方がただの思考停止オタクみたいになってて苦笑してしまった。自分も人のこと言えない節はありますが・・・歩夢にはかわいいかわいい言っとけば堕ちるやろwみたいな軽々しさでヘラヘラしてんじゃねーよ。

 

 

 

 

今回自分が璃奈ちゃんを何よりも評価したい点は、やはり璃奈ちゃん努力をいつでも忘れなかった強さ、その一点に尽きます。

これまでアニメニジガクは、どちらかと言えば自分の心の中に眠る気持ちに「気付く」ストーリーの向きがあり、逆に言えばその「気付き」さえあれば後は持ち前のスペックでステージを余す所無く表現出来てしまう、既に備わった地盤の固さがあったわけなんですね。

そうじゃなく璃奈ちゃんの場合はまるっきり逆で、自分の中核にある大切な野望の一心は既に固まってるのに、それに対して自分の持ち得る物理的な能力がついてこないというのが彼女が他のメンバーの担当回とは一線を画すところです。なので今回の彼女のステージはイメージ世界のステージではないんですね。それがこう、地に足を着けた感じというか、彼女が惜しまなかった努力に対してすごく寄り添いやすかった。璃奈ちゃんが今回自分の心とそれに伴う身体に向き合う際に不可欠である「心を繋ぐ人たち」の存在・・・現実のステージの向こう側、視聴者や観客といった認識をきちんと忘れずに持ってくれて画面に表していたのが、何よりもアイドルらしくて良かったです。

 

 

 

 

 

 

 

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天王寺璃奈という女の子は、別にコミニュケーションを取りたくないという無口で内向的な女の子ではありません。

侑ちゃん歩夢ちゃん、はたまた今まで仲良くしていた愛ちゃん、そして虹ヶ咲初見のアニメ視聴者はこの回を経るまで軽くミスリードを食らってたとは思うのですが、彼女は寧ろ逆、中学までコミニュケーションに対してすごくもどかしい思いを抱えていたからこそ人一倍会話に素直な気持ちを吐露出来る女の子です。トラウマになって人見知りになるなんて以ての外ですよ。何て芯の強い女の子なんでしょう。

 

自分の過去を恥じらうこともなく正直に淡々と話し、きっちりと協力してもらってるメンバーに向き合う。それが出来る彼女はコミュ障ではありません。そしてそれを短期間の付き合いで把握し、璃奈ちゃんに最適な距離感で理解者になってあげる愛ちゃんの、いつも通りのやり取りだけど絶妙なバランスが巧いと感じましたね。こいつ毎回巧い巧い言ってんな。この後のシーンもそうですが、愛ちゃんの絶妙な距離感の取り方は何と言うか、オタクにグッとくる心の掌握術を心得ているなと。グイグイ前のめりで干渉してはこないけど、かといって無関心ではない。この辺は何だか俗っぽいですけど、でも人と人との心のしがらみに囚われやすい人にとってはすごくありがたいやり方ですよ。

 

 

 

 

 

少しずつだけど着実に、(ライブMCはともかく)色んなスキルを少しずつ上達させて。元々得意だった映像や作曲製作は勿論、目に見える成長というものは、自ずと自分への期待感も高まり自信も付くものでしょう。そんな中、前から声をかけていたクラスメイトにライブのお誘いをしようとした自分は、窓ガラスの鏡の中の天王寺璃奈はーーー

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璃奈ちゃんの望み。それは勿論、「以前までの自分じゃなく、表情を変えて自分の思いをはっきり伝えられる自分に変わりたい」ですよね。

じゃあそもそも「変わる」ってなんでしょうか。別人になることでしょうか。外見を作り替えることでしょうか。今流行りの異世界転生が可能ならお安い御用でしょう。VR MMOなら誰だってキリト君になれます。

 

違いますよね。非情で冷たいことをいいますが、人そのものの人格はどうしようもなく変わりません。変わったと思うなら、それは経験と共に行動が変容しただけです。

一朝一夕の付け焼き刃で人が変われるというのなら、璃奈ちゃんはとっくの昔に、中学時代に友達を作っていたでしょう。そうすれば自分の不出来や欠如が悪いと自責の念を抱くこともありませんでしたし、ライブ直前で家に閉じ籠ったりもしません。

 

 

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侑ちゃん歩夢ちゃんが心配そうに口を噤んでましたが、やはり学生時代に友達が出来ないというのは辛いと思うんですよ。アニメだとよくあるバックグラウンドですけどね。そしてそれを表情が上手く出せない自分のせいだとはっきり自責していればいるほどしんどくのしかかるコンプレックスになると思います。自分はこんなにも思っている、だけど付いてこないたった一つのもののせいで、みんな誤解して、心の距離が遠ざかってしまう・・・。惨めな自分を客観視すればするほど心がズキズキ痛むような、毒のようなものだと共感しますよ、自分は。

 

ましてや璃奈ちゃんはこれから多数の観衆が自分を見るライブを控えているわけですから、クラスメイトへのお誘い以上のリスクを抱えてしまうことになる。過去の怖さが影を大きくし、どんどん自分で自分を追い込んでしまう。

 

 

 

 

 

 

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けどねぇ璃奈ちゃん人間誰しも何かしら欠けてるもんですよ。何ならこの同好会にだって、自分のスタンスを気にして大切な人にまで素直な気持ちを吐露できない女の子が大人ぶって拗ねたりしてるくらいなんですから。

 

このシーン、ちょっとピリピリしてますけど面白かったですね。エマちゃんが上手く果林さんの本心汲んでますが、「今日はもう解散にしない?」というのがよく考えるとおかしいんです。本当に璃奈ちゃんに幻滅して興味を無くしたのであれば、果林さんであれば尚更「今日はもう私、失礼するわね」って黙っていなくなればいいんですよ。

まぁ確かに璃奈ちゃんがライブ前日に家に閉じ籠るのは割と結構問題だとは思いますが、そこで同好会メンバーが提案に反して「璃奈ちゃんのところに行ってみよう‼︎」と持ち直すのは、彼女のそれまでの猛特訓でのたゆまぬ努力と情熱を受け取っていたからに他なりません。努力は信頼への近道。果林さんは自分の提案を否決してもらうよう、メンバーを試すべくけしかけたのか・・・まで考えて拗ねてたとは思いにくいのですが、(これを待ってた)と言わんばかりのホッとした表情も良かったですね。

 

 

 

 

 

 

 

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(らりるれろ!らりるれろ!らりるれろ‼︎)

 

 

何で中に璃奈ちゃんがいるとバレたのでしょう。戦場のど真ん中に置かれてても中に人がいるとバレないはずなのに・・・

 

冗談はこの辺で。てへ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ライブで沢山の人に見られる不安。自分の本心をきちんとステージで表現出来るかの不安璃奈ちゃんはこれを自責で塗りつぶして、自室に引きこもってしまっていました。ごめんなさいと何度も謝るのは、自分を気にかけて、応援して、支えてくれた人を裏切る形になってしまっているから。自分の努力を実感出来る人は、人の応援も同様に厚く暖かく感じられるものです。

けど・・・よくよく考えたら、それは璃奈ちゃんだけが持つ不安ではありません。同好会メンバー各々が「いくら支えてくれていても、ステージでは自分一人で臨まなければならない」と、それぞれ違う形で緊張と不安に呑まれるはずです。それは虹ヶ咲ならではのナーバスな気持ちだと思いますし、しかしだからこそ、メンバー全員がその気持ちに寄り添うことが出来るのです。だから、そんな臆病な気持ちを一度は跳ね除けて努力する璃奈ちゃんのことを決して見放さなかったから、彼女らは璃奈ちゃんの家にいる。押しかけてくれる。バックれをしてしまった自分の話に待ったをかけずにちゃんと聞き届けてくれるんです。璃奈ちゃんの行いを否定するかどうかは、理由を聞いてから。それがしっかり出来ている同好会はあったけえ、あったけえなぁ。

 

 

 

 

 

 

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オタクの皆さんはコミュ障がどうのとすーぐ人を決めつけてますけど、「自分の思いを上手く伝えるのは難しい、不安」なんて、誰もが多かれ少なかれ思ってますよ。

言うなれば、みんな等しく表向きはコミュ障であって、内心はコミュ障じゃないんですよ。最初は。

その差や比率が人によって開いてくるのは生来の性格然り、学校や社会で他人と関わる上で自分のことをひけらかした時の反応や体験次第です。そこで躓くことで、「みんなが出来ているのに自分は何故・・・」と他の皆が出来ているのに自分が出来ない劣等感に苛まれることもままある・・・のですが、人間関係なんて上手くやろうとすればするほど、深く考えれば考えるほど恥の上塗りになること必至。

 

これはもう、誰しもが共通することです。オタクじゃない自分だってこの璃奈ちゃんの段ボールの中の独白はすごく共感しました。「胸が痛くて、きゅーって・・・」のところ、自分までズキズキしましたもん。

周りへの羨望、劣等感、オリジナリティの否定。もう日課のように堂々巡りしてます。そんな奴が26年間ヘラヘラ生きて何食わぬ顔で社会を闊歩して。人間なんて、本質は皆そんなもんです。大切なのはそれを肯定できるか、否・・・開き直れるかどうかです。分かってる、そんなことは分かってるんですよ・・・ちくしょう・・・

 

 

 

 

 

 

 

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だからね璃奈ちゃん箱の壁一枚隔てたくらいで本心を打ち明けられるのは、寧ろ素晴らしいことですよ。目線が低いと言われるかもしれませんけど、あなたの不出来に救われる人がきっといる。

 

そりゃあやっぱりどれだけ覆っても被っても生身の人間、Face to Faceで目を見て話すのが一番良いに決まってますよ。でもそれはあくまで一番手っ取り早い方法からで、それが出来ず辛い思いをしている人を否定する理由には、やっぱり絶対ならないはずです。

そんなことを言い始めたら、ほんの1000年前の、詩で季節や人を愛していた日本人は全否定されますし、世界のあらゆる書物や物語や手紙は何の感情も持たない文字列ですよ。ほらね、段ボールの一枚や二枚なんて誤差ですよ。

 

 

 

 

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出来ることがあるなら、それを武器にすればいい。かすみちゃん、今週は後輩面だけじゃなく良いこと言ってくれた。別にアイドルに限ったことじゃないですよ。そこに隔たりがあっても構わない。出来ない気持ちを出来ることで覆って、その分人よりも正直な言葉で話して、頑張る。それが出来るだけで100点満点です。そうやって頑張る人の「壁」を勢いで無理やり引っぺがす・・・のもまた胸熱ですけど、ニジガクの女の子たちはそれをしないのがこれまた良かったですね!

 

 

自分は先程「人は変われない」と書きましたが、「だからといって変わらなくてもいい、変わろうとしなくてもいい」とは一言も言ってません。

大切なのは「真実に向かおう」とする意志・・・と某警官が漫画で言っていたように、「変わろうとする意志」を否定する者は誰もいないんです。ちょっぴり寂しくなるだけでね。その今ある最大限の努力をまずは認めてあげる。それが愛ちゃんの段ボールハグだと思います。愛ちゃんに限った話じゃないですね、あの場にいた同好会メンバー全員段ボールを取ろうとしなかったのはグッときましたねぇ・・・侑ちゃんが真剣な表情から柔和になり、「ありがとう」から始まったのも良かったです。このやり方、梨子ちゃんにちょっと似てるんですよね。千歌ちゃんの周りに反して自分はどんどん"普通"にとらわれて置いてけぼりになっちゃう旨を聞くたびに梨子ちゃんは肯定も否定もせず「そんなこと、思ってたんだ」と返すの、アレすごい好きなんですよ。返答や自分の意見じゃなくて、まずはじめにあなたの内心を打ち明けてくれたことに意識を向けてあげる。これ、なかなか出来ないことですよ。

 

もう、そこに精神的な隔たりなんか一切無いんです。誰よりも本心を発露したい、だけど顔は、今は出せない。それすらも個性として認めてあげられているのは、ひとえに璃奈ちゃん努力の産物なんですよ。

 

 

 

 

しかし璃奈ちゃんはそれで甘んじる女の子じゃありません。せつ菜ちゃんのほんの些細な一言から、「壁一枚挟めば、自分は感情を100%伝えられる」という重要なことに気付いた彼女は思い立ちます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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ステージに立つ自分。磨かれた床に映るのは、璃奈ちゃんの表情を、

感情を、

心情を、

本心を、

直情を、

デジタルな顔文字でリアルタイムに表示し、「代弁」してくれる璃奈ちゃんボード。

 

いやぁもうこれは・・・鮮やかとしか言いようがない。序盤で鏡に映る自分に指で笑顔を描くのがこうも鮮やかに回収されるとは。こんなん・・・こんなん文句の付け所が無いやん。

今まで感情をそのまま表情に出せない自分を、憎らしく思うこともあったでしょう。指で口角を上げて、無理やり笑顔を作ってたりもしてたかもしれません。そんな女の子が「朗らかに笑う自分」を初めて見つめられたのなら、それはどんなに救われて・・・と思うと、本当に、涙が。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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やべえよ涙が止まらねえよ・・・‼︎

 

すげえ、すげえよこの新曲。

いや普通に考えてですよ。表情の変わらない女の子をどう演出したら「感情」を表現できるかって相当難しいと思うんですよ。

それがまさかまさか。アップテンポのデジタルポップチューンのリズムの中に、璃奈ちゃんの細やかな仕草、視線、口元のカメラワーク、振り付けと、彼女の魅力に文字通りどアップでフォーカスを当てて最大限引き出している。璃奈ちゃん、元々髪色が派手めなピンクだっただけに他の小道具や風景に目が取られにくいのを逆手に所作の一つ一つに目を奪われてしまうんですよね。

彼女はその最初期の所謂色物枠として文字通り電波ソングが似合うと、言ってみればイメージ通りの楽曲が誂えられてるなぁと感じてはいたんですが、この6話の掘り下げ方の巧さの後にライブパートを見るとまさにとっても"エモーショナル"な曲に感じてしまう。電波系らしさなんて全然感じないですし、何より今まで彼女を電波系と一括りにしてた自分は彼女のことを全然知れていなかったと、ハッとしてしまいますね。

 

 

 

 

 

 

 

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璃奈ちゃんは冒頭で「想いを伝えることって、難しい」と言いました。ですが彼女は「難しい」とは言っても出来ないことだから無駄だししない、とは言ってません。

そう、璃奈ちゃんの真価は諦めないことです。

弱きを受け入れ、自分なりの強きを拓く。勇気を持って挑み、どんなことでも努力して、続けてみる。

全てが結実しなくてもいいんです。今はまだ、それだけ。その「それだけ」を今の自分の精一杯を認めて、受け入れてくれる人がいる。璃奈ちゃんボードという壁は隔てているけど、本当にやりたいことは「人と心をつなげる」ことであり、それはもう達成されてるわけですよね。璃奈ちゃんボードは彼女なりの成長の過程と、これからの余地、そして何より過去現在未来全てを繋ぐひと繋ぎの感情そのものです。

全力で頑張ったからこそ、全力で笑える。スクールアイドルの、一生懸命頑張った人の、最も貴き砂金を掴めた璃奈ちゃんボードは、かねてから念願だった決めポーズで言います。

 

「璃奈ちゃんボード、"にっこりん"‼︎」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

★まとめ★

 

 

 

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第6話、総括としては

 

120点です。

 

 

いやもうこれまとめる必要ないでしょ。どこをどう切り取ってもケチの付け所が無い、素晴らしい璃奈ちゃんでした。アニメニジガクの感想ブログではきっちり100点満点で採点しようと思ってたけどこれ程までに一人の女の子を美しく、可愛く愛ざして掘り下げる巧いがあったとなればもう点数も上限突破して120点あげちゃう。

 

確認したら、今回第6話の絵コンテ・演出担当ってアニメμ’s監督の京極尚彦さんなんですねぇ・・・信頼と安心、というかそれ以上の傑作をポン、と一話完結回で出してきて頭が上がりませんわ・・・流石やわ(感服)

 

 

 

 

 

 

 

しかしまぁこの璃奈ちゃん回、正直キャラ改変されるんだろうなぁと思ってたんですよ。だって1話から素顔出してるし、璃奈ちゃんボードなんてそれまでおくびにも出さなかったじゃないですか。終始無表情→感情を表に出すのが苦手、というポジションシフトを残しておいて、後はアニメラブライブ!の悪しき様式美としても有名なキャラを掘り下げる為の設定付加や削減・改変がなされて、何となく肩透かしのまま「まぁ、ニジガクらしくて良かったや、、、はは、、、」みたいな何となく乾いた感想ブログになるかと書く前から思ってたんですが・・・

いやぁこれはめちゃくちゃ良い意味で予想を裏切られた。何がアレって、スクスタ初お披露目の時の彼女の説明を何一つ省く・加えることの無いままそれをアニメで逆転の発想で掘り下げたんですよ。堪んねえわ。顔を隠したままアイドルをするという行為は、現実ではClariSだったりVtuberだったり割と馴染んではきているものの、やはりアニメで一人の生身の女の子を人間らしく描くとすればかなりデリケートなハンディだと思ってはいたんですよね。

それが何の何の。璃奈ちゃん本人はあくまで自然体で、かつあまり重たいシリアスにもならず、それ以上に一生懸命自分の欠如に向き合いながら頑張る描写でもうこれは立派なアイドルそのものですよ。今んとこ正式なライブ回数で同好会抜いてるし。そしてそんな彼女を支える同好会の、どんな形であれスクールアイドルに対する熱情をキャッチし協力する姿勢、弱点を個性として認め受け入れてあげる懐の深さが「心の支え」として愛ちゃんを筆頭にしっかりと描かれているのにも隙が無えと思いました。

 

自分、アニメラブライブ!を好きでいつづけて本当に良かったと、いま心から感謝しています。信者は思考停止で褒めそやす、みたいなのじゃないですよ。原点に忠実に、だけど唯一無二が出来ているアニメニジガクは・・・キャラデザやロゴや9人縛りがいくら変わろうが関係ないです。これは、アニメラブライブ!の正統な後継です。自分が一番求めていた、一時は時代の変化と共に失ったかと思えたものが、しっかり受け継がれている。第6話にして自信を持って言えます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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表情の代わりに、頑張る全ての人たちの明日を笑顔にする璃奈ちゃんボードを、既に持ってたあなたに、大好きの電波を贈ります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いとふゆ

 

       (11170文字)

 

                          written by  Sunny Road

 

 

 

前回、第5話の感想記事はこちら↓

 

 

https://elysia-sunny.hatenablog.com/entry/2020/11/07/111154